Working-memory capacity and the control attention: the contributions of goal neglect, response competition, and task set to stroop interference
Kane, M. J., & Engle, R. W.
Journal of Experimental Psychology: General, 2003, 132, 47-70.

作動記憶容量の個人差は5つの実験におけるストループ課題の遂行を予測し,制御過程と選択的注意における課題ゴールの維持の重要性を示した.ストループ課題が多くの一致試行(赤表記による“RED”)を含むことで課題ゴールの無視を喚起するとき,正確な反応のための“単語を無視する”という課題ゴールへのアクセスを維持することが必要な不一致試行(赤表記による“BLUE”)において,低スパン群は高スパン群より多くのエラーを犯す.これに対して,一致試行がほとんどまたは全くない課題や,一致(率)低課題に続いて一致(率)高課題を実施したとき,作動記憶容量は干渉の反応時間を予測した.課題ゴールを増強し,それによって課題ゴールをアクティブに維持する困難さが最小になる周辺状況(文脈:context)において,作動記憶は反応時間に間連し,正確さに関連しなくなる.データと文献レビューから,ストループ干渉は2つのメカニズム,課題ゴール維持(goal maintenance)と競合解決(competition resolution)によって連携して決定され,それぞれの優勢性は現在または近接した周辺状況によって強化される課題セットだけでなく作動記憶容量にも依存する.