Memory-load interference in syntactic processing

Gordon, P. C., Hendrick, R., & Levine, W. H.
Psychological Science, 2002, 13, 425-430.


被験者は記憶負荷の実験において,統語的に複雑な文(目的語抽出分裂(文):object-extracted clefts)か,統語的に単純な文(主語抽出分裂(文):subject-extracted clefts)を読みながら単語のショートセットを記憶した.本研究では,記銘セット中の単語と文中の単語が同一か異なるように(普通名詞 vs. 固有名詞)操作した.文理解は単純な文に比べ複雑な文の遂行が悪く,この効果は記憶負荷セットの単語と文中の単語が同一のときにより大きくなった.この結果は統語処理がモジュール形式でないことを示し,かわりにその処理が統語処理以外にも共有されるWMリソースに依存していることを示唆した.さらに,統合された記憶表象を構築するための言語における一貫性(coherence)に基づいた文章理解中は,類似ベース(similarity-based)の干渉が克服しなければならない情報処理における重要な制約の1つであることも示唆された.