Memory interference during language processing

Gordon, P. C., Hendrick, R., & Johnson, M.
Journal of Experimental Psychology: Learning, Memory, and Cognition, 2001, 27, 1411-1423.


筆者らは複雑な文の読みについて実験を行い,文処理における作業記憶の操作について検討した.大学生被験者・セルフペーストリーディングによる読み時間と理解の正確さを検討し,関係詞節・分裂文を含めた埋め込み文タイプ(目的語抽出(object-extracted)対主語抽出(subject- extracted))と名詞句タイプを実験要因とした.文理解遂行の低さは,名詞句タイプ(記述名詞(description),指標代名詞(indexical pronoun)と名前(=固有名詞))による混交に基づき,主語抽出と比較して目的語抽出に典型的に認められた.二つの同タイプの名詞句を持つ方が,異なるタイプの名詞句をもつものよりより大きな遂行差を示した.この知見は類似性ベースの干渉が文の複雑性に大きな役割を果たす,という作動記憶の概念を支持するものであった.