Syntactic working memory and the establishment of filler-gap dependencies: Insights from ERPs and fMRI

Fiebach, C., Schlesewsky, M., & Friederici, A. D.
Journal of Psycholinguistic Research, 2001, 30, 321-338.


この寄稿で著者らは,ドイツ語のWH−疑問文の処理を調査した事象関連電位(ERP)による実験と機能的磁気共鳴画像法(fMRI)による実験を概観した.ERPの結果に基づき,著者らは文処理と文理解中のリソース配分の近年のモデルについて議論した.彼らはパーサー(統語解析器)に一時的に統語情報を保持するのに必要とされる,統語的な作動記憶処理をサポートする分離した認知的または神経(基盤)的なリソースの存在を主張した.WH−移動の文脈では,空所とその埋語の依存関係(filler-gap dependency)を構築するためにそのような記憶構成素が必要とされる.fMRIの実験から得られたデータはニューロイメージによる文処理の先行研究の結果を考察するために利用された.統語処理それ自体というよりも統語的作動記憶がブローカー領域でサポートされていることが主張された.