Cuing effects in short-term recall

Tehan, G., & Humphreys, M. S.
Memory & Cognition, 1996, 24, 719-732.


先行研究では,短期記憶は順向干渉(PI)の効果に耐えられることが示されている.また先行研究からは,記憶すべき項目の音韻表象が存在し,特徴となる情報が提供されるとき,PIに対する耐性(immunity)が現れることも指摘されている.最初の3つの実験では,さらなる境界条件があることを実証した.干渉およびターゲット項目が同一の手がかりによって組み込まれたときのみPIは観察された.この知見は,長期的な再生のように,短期的な再生は,手がかり依存(cue dependent)であることを示唆している.カテゴリー優位性(dominance)を操作した2つの実験によって,手がかり効果はさらに検討された.カテゴリー優位性効果がPI効果と並列であった知見からは,短期的な再生において検索手がかりが決定的な役割を果たすことが強く示唆された.