Syntactic priming in young children

Huttenlocher, J., Vasilyeva, M., & Shimpi, P.
Journal of Memory and Language, 2004, 50, 182-195.


本稿は4-5歳児における統語的プライミング効果を示した実験である.この実験は他動詞・与格による構文を提示したときの成人のプライミング研究をモデルにして行なわれている.実験1では,実験者によって説明された絵を子どもに提示した.子どもらは実験者の(説明)文を復唱し,さらに説明を行なう新たな絵が提示された.実験者に使用された形式であれば,子どもらはその特定の統語形式を利用する傾向にあった.実験2では,子どもらが実験者の説明文を繰り返さない点以外は,手続きは(実験1と)同様であった.プライミング効果は実験1と同程度であった.実験3では,実験者の説明文を聴いた後で,説明を行なう複数枚の絵からなるブロックが子どもに提示された.すべてのブロックを通して,実験者に使用された形式であれば,子どもらはその特定の統語形式を利用する傾向にあった.これらの結果から,子どもにおいても特定の語彙項目とは独立して統語形式を表象することが示された.