そろそろ非常勤の仕事が終了になる。感じたことのまとめの文章でも書こうかな?と思いつつPCの前についたものの,色々考えすぎて上手く表現できない(面白くもなさそうだし)。ということで,同じ仕事をしてた専門職の人のことなぞを書いてみよう,と。





私が仕事してたところには,地域福祉の専門家がいっぱいいる。その中で約3年くらい一緒にお仕事をした人に三千丈さん(仮名)という人がいる。



私は福祉関連の職業人の醸し出す“ある種のオーラ”が苦手で。決してそうではない(と私は思う)のに慈善行為をしているかのような気高い,職業に貴賎はない(はず)なのにどこか誇らしげな,そして私にとってはとてもとても居心地の悪いオーラを発していると感じられることがある。勿論仕事してるときはそれで全然構わないのだけれど,長年仕事しているとそんなオーラがカラダにまとわりついて離れなくなるのか,いつも身にまとっている人すらいて。日常会話の中のささやかな一言にそんな“オーラ”を感じて「えーっと,まだ仕事の範疇の会話なのかな?」と思うことすらある。

私のこぉいう職業的見解はすごくすごく偏見に満ちているし,自分でもよく分かっているつもりなので,反論のある方は『どこぞの吹き溜まり学生のひとつの否定的見解』として一蹴してください。でも,ごく控えめに自分の感じ方・考え方を表現するならば,その様な福祉関連の方々の中に,是非仕事以外でもハナシがしたい!と思うような人はあまり居ませんでした。



ところがこの三千丈さん,出会った当初から「もぉ!こんな仕事やめてやるぅーー!!」と,専門家云々以前にとても2児のハハ(4?歳)とは思えない“駄々っ子”っぷりを隠さずに表現してる人でした。

とか言いながら。

最初の頃は「さωさん,私はあと4年で確実にやめる!やめるからね!!」と毎週会うたびに宣言してたのに,後の方では「あと4年か7年でやめる!!」に期限延長されてる。「なんで伸びたんですか?」と訊いたら「だってよく計算したら,そこまで働かないと○○手当てがつかないの(えへへ)。」とあっさり軌道修正してた。多分このまま行けば絶対定年までいるな,という人。



私と一緒にしてた業務で,三千丈さんが担当してたお客というのが,とても困った人でした(注;正確には“お客”ではないのですが便宜上こんな風に表現します)。単純に表現すれば『しつこくて感情的なお客様』なのだけれど,一応福祉業務なので三千丈さん対応しない訳にいかない。で,その対応してて半日他の仕事−山のような書類整理や外部への電話連絡−を出来ない日などは,「もぉさωさんどうすればいいのー!」と愚痴をいっては「…あぁどうにか静かになってくれないかなぁ」とトホホな表情してる人で。

本当は。

『しつこくて感情的なお客様』を相手にするときは“つかず離れず距離をとる”のが鉄則。でも三千丈さんはどんなに苦手でも結局そのお客様の依存する態度に付き合ってしまう−それは実は福祉のプロとしては決して上手なやり方ではないのだけれど−。そんなだから他のお客様には「三千丈さん人気者だから,私はまた後でいいですよ。」なんて逆に気を遣われてしまい,やっぱり何処かでお客様に愛されている人で。そのしつこいお客様も一進一退を繰り返しながらちゃんと外の世界に出ていって,悪態つかれてもちゃんと感謝されてる三千丈さん。



仕事がひと段落すると旦那様に対する怒りを話し出して,前日喧嘩したときなど「あんまりにもハラが立ったから,昨日は家事を全部放棄して家出してやったの!」と言ってたりした。でも贔屓目に判断しても「…いやぁそれ三千丈さんの方が悪いのでは?」なとき−というかほとんど理不尽ないいがかり−が多いという人で。

それでも。

旦那様の不満をつい子ども達の前で漏らしてしまうのだけれど,「あんまり父親に対する不満を子どもに伝えすぎるのは悪いかなぁ…と思って,このあいだは言い終わった後でちょっとだけフォローも入れちゃったよ,まったく!」と,やっぱり変な怒り方でまとめてる人。





きっとこのヒトは自分のやってることを“奇特な福祉業務”だなんて思うことはほとんどなかったと思う。

でも私は思う。自分の担当業務や日々の私生活についてトホホ…と思いながらも,やるべきことは自分が納得するまでこなそうとする・体が勝手に動いてしまう,こういう人がもっと現場に増えてくれればなぁ,と。そしてなにより私は,専門分野に関係なくこういう“カッコ良くない働く女性”が大好きです。